「過去形」が持つ意外な性質

距離感とあいまいさ

過去形は過去の話以外にも「心の距離感」や「あいまいさ」も表現することができます。

例えば、

① Can I help you?

手伝おうか?

② Could I help you?

手伝いましょうか?

②の表現の方が丁寧または心の距離が遠い言い方です。目上の人や丁寧な言い方をしたいとき、文が過去形になることがあります。

しかし、過去形はフレンドリーさにかける表現でもあります。文化によってはフレンドリーに接することで心の距離感が近いことを表現することが礼儀であることもあります。

時と場合で使い分けましょう。

不確さの表現については、

① How was the exam? – It was easy, I will pass.

試験どうだった? – 簡単だった、合格するよ。

② How was the exam? – It was easy, I would pass.

試験どうだった? – 簡単だった、まあ合格するだろう。

どちらも試験には受かりそうだという言い方ですが、②は一歩引いています。落ちる可能性もあるかもしれないという含みのある言い回しとも言えます。

このように過去形にはどこか「遠い」や「関係がない」というニュアンスがあります、

  • 現在から遠い(過去、現在と関係がない)
  • 心が遠い(尊敬や謙遜、身近な人でない)
  • 真実から遠い(不確さ、真実と関係ない)

この性質を知っていると、過去形 I did と現在完了形 I have done の理解しやすくなります。

ロードマップの次のレッスンでは現在完了形を学んでいきます。是非、過去形とのニュアンスの違いを習得してください。